【初心者向け】ラズベリーパイとは？どんなことができるの？

早速ですが、ラズベリーパイってご存じですか？

そう。あの赤くて甘酸っぱい果実をふんだんに使った…食べ物のことではないです。

ここで紹介するのは超小型のコンピュータ「Raspberry Pi（ラズベリーパイ）」

• ラズベリーパイって聞いたことはあるけど具体的にどんなもの？
• 価格は？
• 使う際に必要な環境は？
• どんなことができるの？

こんな疑問を解決します。

ラズベリーパイとは

Raspberry Pi（ラズベリーパイ）は、イギリスのラズベリーパイ財団によって、プログラミングなど子供向けの教育用として開発されたシングルボードコンピュータです。

シングルボードコンピュータとは、１枚の小さな基板にCPU、メモリ、入出力端子など、コンピュータの構成要素を必要最低限に搭載した小型のコンピュータのこと。

2012年の発売から注目を集め、その後もスペックを向上した後継機や、安価な省電力モデルなど様々な種類を展開し、2021年5月時点で累計出荷台数が世界で4,000万台を超える成長を遂げています。

その用途は教育にとどまらず、低コスト、小型という特徴から、センサーを用いたロボットへの搭載など電子工作による多様な機能性が注目を集め、産業用途としての活用が広がっています。

日本ではラズパイとも呼ばれ、どちらかといえば大人も楽しめる電子工作といった趣味的な広がりが強い印象です。

ラズベリーパイの特徴

ラズベリーパイが注目を集める要因はどんなところなのか？
その主な特徴を解説します。

価格が安い

ラズベリーパイの大きな特徴はその価格です。

種類にもよりますが、もともと子供向けの教育用ということもあって安価に設定されています。

特にRaspberry Pi Zeroという省電力モデルは約600円とコンピュータとしては驚きの価格です。

2021年11月現在、主に販売されているモデルを表にまとめました。

日本円での価格はショップによって異なるためドルで表記しています。

小さな本体

本体はカードサイズで、その小ささから通常のパソコンとは違った様々な用途に使用することができます。

例えば、

• モバイルルーター
• 音楽プレイヤー
• 携帯ゲーム機
• ロボット工作
• デジタルカメラ
• スマートスピーカー
• デジタルフォトフレーム

などが挙げられます。

様々な拡張性

本体とは別売りですが、ラズベリーパイには専用のモジュールを取り付けることができます。

ラズベリーパイ本体にGPIO（汎用入出力）が搭載されており、ここにHAT（Hardware Attached on Top)と呼ばれるモジュールを追加することで機能拡張が可能です。

HATにはセンサー、LED、スイッチ、カメラ、ディスプレイなど、幅広い製品があり目的や用途に合わせて機能を追加できます。

メジャーな製品では「Sense HAT」というモジュールがあり、8×8 RGB LEDマトリックス、５ボタンのジョイスティックに加え、以下のセンサー機能を持っています。

• ジャイロスコープ
• 加速度センサー
• 磁力センサー
• 温度センサー
• 湿度センサー
• 気圧センサー

使用するには

ラズベリーパイを使用する際に必要となるものを解説します。

周辺機器

ラズベリーパイ使用時は、本体のほか以下のものを最低限揃えないといけません。

汎用的なもの

• microSDカード
• 電源アダプター
• HDMIケーブル
• モニター
• USBキーボード
• USBマウス

ラズベリーパイ専用

• 本体を収納するケース

ケースは無くても使用できますが、基板がむき出しの状態で使用することになるのであった方が無難です。

利用するOSに選択肢がある

ラズベリーパイでは様々なOSを無料で利用できます。

その例をいくつか紹介します。

Raspberry Pi OS（旧称：Raspbian）

ラズベリーパイの公式OS。
LinuxのDebianというOSをベースにラズベリーパイ向けに最適化されています。
GUIを備え、複数のプログラミング言語に対応した開発環境や、ワープロ、表計算などのオフィススイートに対応したソフトウェアなどが最初から同梱されています。
初心者の方はまずはこのOSを使うのがいいでしょう。

Ubuntu MATE

LinuxのUbuntuから派生した軽量版。
こちらもGUIを備え、使いやすさを重視したデスクトップ環境が特徴です。
またRaspberry Pi OSでは日本語を使う場合、インストール後に設定が必要ですが、Ubuntu MATEはインストール時に日本語を選択できるためスムーズに使い始められます。

Windows 10 IoT Core

IoT用途に開発された組込み機器用のOS。
ユニバーサルWindowsプラットフォーム（UWP）アプリの実行に特化しています。
Visual Studioで開発した単一のアプリを実行する専用機を作成する場合に向いています。

RetroPie

ゲームのエミュレーションに特化したOS。
ファミコン、プレイステーション、Nintendo 64、ドリームキャストなど50以上のゲーム機に対応しており、ラズベリーパイをマルチプラットフォームエミュレータとして活用する事に長けています。

充実したソフトウェア

ここでは公式OSであるRaspberry Pi OSのソフトウェアについて解説します。

Raspberry Pi OSには、多くのソフトウェアが付属しており、特に教育用途ということもあってプログラミングに関するソフトは様々な言語が一通り揃えられています。

以下はRaspberry Pi OSに最初から入っているプログラミングソフトの一覧です。

このように初心者から上級者まで幅広くプログラミング開発の環境が最初から整えられています。

このほか、インターネットブラウザやメーラー、マルチメディアプレイヤーなどの一般的なソフトはもちろん、Microsoft Officeに替わるオフィススイートや、ラズベリーパイ用のMinecraftなどのゲームもあり、付属している以外にも、必要に応じて後からソフトを追加することも可能です。

Raspberry Pi OS に使われているLinux含め、ソフトウェアは無償で利用できるオープンソースがベースです。

他の人が作ったプログラムが公開されていることもあり、それらを参考にすることで開発の手助けとなるでしょう。

注意点

ラズベリーパイを使い始めるにあたって注意すべき点をまとめました。

電源アダプター

2つ注意すべき箇所があります。

1つ目はラズベリーパイ本体側の電源の口です。
歴代のモデルではmicroUSBが採用されていましたが、最新のPi 4 BはUSB Type-Cへ変更されています。

2つ目はアンペア数です。
モデルによって異なりますがPi 4 Bは3Aと高めです。
普段スマホなどを充電しているアダプターを使用する場合は1A～2A程度のものが多いため、足りない可能性があります。

不安な場合は、ラズベリーパイ対応の製品を購入するのが良いでしょう。

ケースのサイズ

ケースはラズベリーパイ本体にピッタリ収まるサイズのものが多いです。
モジュールを取り付けることを想定している場合は、ケースに収まるかしっかり確認をしましょう。

プログラミングが必要

ラズベリーパイを使って電子工作をしようとした場合、プログラミングは必須です。
プログラミング初心者の方にとっては敷居が高いと思われるかもしれません。
まずは、プログラミングの開発や学習するための環境が最初から備わっているRaspberry Pi OSから始めるのがオススメです。

まとめ

ラズベリーパイは、コンピュータとしては安価でとても小さいです。

しかし、できることは非常に幅広く、本来の教材としての使い道だけでなく、産業用途での大きな広がりや、大人も楽しめる電子工作としても高い人気を持っています。

またオープンソースであることから、インターネット上ではラズベリーパイによる様々な作品がコードとともに公開されているため、初心者でも手軽に始めることができます。

こんなのがあったら便利だな、といったアイディアをお持ちなら、ぜひラズベリーパイでの実現に挑戦してみてはいかがでしょうか。